石津忠の
「アメリカぶらり旅」
Part12
8月8日(土)
寝坊する。また電話で起こされる。そんないつもと変わらない感じで(おいおい)今回の旅は始まったのだ。この後に起こる惨劇を誰も予想せずに(ってほどの事も無いか)。
さて、今回の旅の目的地は「レイク・タホ」である。日本語で書くと「タホ湖」である(これも風情が無いな)。日本ではあまり有名な観光地ではないのかもしれない。事実私もこちらに来るまで聞いた事も無かったのだが、こちらではかなり有名で、ジモティーのリゾート地であるらしい。喩えて言うなら「日本人にとっての軽井沢」、「愛知県民にとってのパルケエスパーニャ」、「光画部員にとっての山田さん温泉」のようなものである(ぜんぜん違う)。
そんなしょーもない説明はさておいて。今回のメンバーは、Fさん、Kさん、Lさん、Kさん、そして私の5人である。今回はちと距離が長いので1台に5人はつらかろうというわけで2台で行く事となった。内訳は、
1台目。運転手:Kさん。同乗者:Fさん。
2台目。運転手:私。同乗者:Kさん。Lさん。
という感じで1度単独で行った事があるKさんに先導してもらい、私の車が後を着いていく事となった。
そんな感じで、出発。快調に走る。しかし、Kさんは後ろについている私たちの事を気遣ってかいまいちペースが遅いようだ。高速にのって降り口がわかっているところならもう少しペースを上げても良いだろうという事でついついやんちゃな気持ちが顔を出し追い抜く。しばらくして私たちの車がちょっと引っかかると抜き返される。白い彗星とマサキのNinjaのようである。
ま、しかしそんな飛ばしていたわけでもなく、基本的にはKさんの後ろについて流れにあわせて順調に走っていたのだが、ふとバックミラーに目をやると、なんか怪しげな車が目に入る。ボディーカラーは白と黒。ルーフの上にはガス会社のようなきらびやかなライトがそえつけられている(点灯はしていないようだが)。
本能的に危険を感じ、軽くブレーキを踏んで減速をかける。まぁ、これぐらいのスピードなら捕まる事はないだろう。で、そのとおりその車は右車線のほうに寄っていった。どうやら次の獲物を見つけに行ったようだ……と、突然前を走っていたKさんの車が右による。しかも2車線一気に。そこは当然その怪しげな車の鼻先である。おいおい、なにしてるんだ、と思った矢先にきらびやかなライトが一段と輝きを増す。あ、と思っている間に右に寄せられてしまう。ハイウェイの途中で止まるわけにもいかずKさんたちの車は一瞬のうちにバックミラーから消え去ってしまう。
Kさん達の行方は誰も知らない。
……って、「羅生門」じゃねーんだから。
待ち合わせを行っているのでそこで会える事を期待して先に進む。
そんなわけで給油したりしながらもだーっと進むと、とうとうレイク・タホに到着。
今までこっちに来ていろいろな景色見てそのたびに感動してきたが、レベルが違う。こっちの景色は基本的には「雄大さ」が売りである。でかく、それを取り囲む周りがまた広いために「圧巻」という感じになるのだが、「美しさ」という点では正直なところそれほどでもない。
が、ここの場合透明度が異常に高い湖面、その向うに聳え立つ山々。「雄大さ」と「美しさ」がどちらも恐ろしいほどのレベルで同時に存在している。
はっきりいってここで暮らせるなら帰れなくてもいいかもしれないと、本気で思ったほどだ。でも、どんな美しい風景でもいつかは飽きるだろうし、コモリンが5人前の弁当を果たして食べきれたのかどうかも気になるところだし、やっぱり帰りたいな(こんなとこまで来て考える事がそれかい)。
そういう訳の分からん妄想はさて置き、Kさん達との待ち合わせ場所に向かう。なんかウエスタンな村である。駐車場のなかをぐるっと見回してみたが、いないようだ。とりあえず中に入って待つことにする。
入ったところにある看板を見てみると、なんかショーがあるようなのでそこに行ってみる。
時間になっても始まらない。なぜだ。
良くわからんが、仕方ないのでそこら辺を見て回るとこんなとんでもないものを発見。ここはザレムか。
しかし、それ以外はそんな面白いものも無く、Kさんたちとも合流できそうも無かったので適当に退散。その後、またレイク・タホのまわりを回り、ちょっとビーチに降りてみたりする。これまた、ほんとーに衝撃的な美しさである。これほどの衝撃はX68000の「マンハッタン・レクイエム」のオープニング以来である(そんなもんか、おい)。
さてここでレイク・タホ周辺の簡単な説明を行ってみよう。
簡単に描くとこんな感じである。
真ん中に赤い線があるのがご覧になれるだろうか。このてきとーに定規で引いたような線は果たして何か。そう、州境である。つまり、こういうことである。
で、今われわれがいるのは上記に示すように「ネバダ州」である。そんな訳で、ここからは日記の形式を少し変えてみようと思う。
木下:さて、どうなったんでしょうね?
吉田:……まぁ、大体想像はつきますけど。