4739498

石津忠の
「アメリカぶらり旅」

Part3


7月3日(金)

今日は会社はお休みである。なんでも独立記念日らしい、が、そんなことはどうでもよい。大切なのは「休み」ということであって、「休み」ならば、独立記念日だろうが、建国記念日だろうが、春高の一番長い日だろうが、何でもよいのである。

そんな訳で観光である。どこにいくかはかなり迷ったが、とりあえず最初ということで、手近なサンフランシスコから、ということに相成った。
こっちに何度もきている方お二人が案内をしてくれるということで、会社の駐車場で待ち合わせをする。が、もう一人の人がなかなかこない。ホテルに電話するとまだ寝ていたようだ。二日前に日本からやってきた人を連れ出す私が悪いといえば悪いのだが。

そんなわけでホテルまで迎えにいって合流。そして一路サンフランシスコへ。

使う道路は101。初めてここにきたときに不安でいっぱいのまま空港からタクシーに乗ってきた道である。その道を逆方向に今は私がへろへろ運転している。なんか変な気もする。
それはともかく、サンフランシスコ車はどんどんサンフランシスコへ近づいていく。
につれて、巨大な雲の固まりが近づいてくる。サンフランシスコはその下らしい。なんだかなぁ。

しかし、ついてみれば快晴とまではいかないまでも十分晴れ。よしよし。
とりあえずお約束のコースとしてフィッシャーマンズ・ワーフへ向かう。はずが、道を間違えベイブリッジにのってしまう。しかたないので途中にあるトレジャー・アイランドという島にいって、そこから引き返すことにする。ただし、島にはいってもすぐにUターンさせられてしまうらしい。
「なんでですか?」
「軍の施設だから。」
おいおい。

で、トレジャーアイランドに到着。たしかに島に入ってしばらくのところによくニュースの沖縄の映像なんかでよく見る検問らしきものがある。そこまでいってなんか聞かれても困るので、直前でUターン。ここで、タイヤを鳴らしながら逃げるようにUターンをかますと、アクション映画のワンシーンみたいでかっこいいなぁ。と考えたが、その後どうなるかは考えるだに恐ろしいので実行はせず。度胸が足りないな。
それはともかく、そのUターンした場所がちょっとした展望場所のようになっていて、そこからサンフランシスコが一望できる。絶景。思わず記念写真をとる。あぁ日本人。

しばらくそこで景観を楽しんだのち、またベイブリッジをわたり今度こそフィッシャーマンズワーフへ。
近くの駐車場に入る。止める場所が無い。台数管理ぐらいしろよと思いながら、出そうな車の横で獲物を狙うハイエナのように空くのを待つ。駐車場に入るのに待たされるのは普通だが、こっちでは入ってから待たされるらしい。結局20分近く駐車場内をうろうろすることとなった。
何とか車を止め、フィッシャーマンズワーフ内へ。入り口近くにnamcoのゲームセンターを発見。入りたかったが、さすがに会社の人がいっしょなので断念。断腸の思いで先に進む。

なんかごたごたしてるうちに13時ぐらいとなったのでとりあえず飯を食すことにする。
レストランに入り私はターキーサンドと”アイスコーヒー”を注文する。
「あ。それは……。」
会社の人がそうつぶやいた。が、ボーイはYesとかなんとか言いながら去っていった。
で、出てきたものは確かにアイスコーヒー。
ただし、死ぬほど薄い。
新井素子のタイトルは忘れたが地球が巨大なマンボウに食われてしまう話の中に出てきた薄いアメリカンコーヒーも、これほどは薄くなかったに違いない(誰がわかるんだこんな喩え)。
話を聞いてみると、なんでも、この国ではアイスコーヒーという概念が存在しないらしい。だけど、ここのような観光客相手が多い場所では最近は出すところも増えてきたとのこと。
にしても、ここまで薄く作る事はないだろうに、などと考えていると、”More Coffe?”とか言いながらボーイが近づいてきた。どうやらお代わりができるらしい。貧乏性の私はいくらくそまずいコーヒーでも、もう一杯飲めるならと思い、迷わず”Yes”と答えた。当然のごとく、グラスが下げられるだろうと思っていた私の予想はその直後のボーイの行動によって一瞬に打ち砕かれた。
なんとそのボーイは、手に持っていたホットコーヒー用のデカンタの中の熱々のコーヒーをまだ氷が残っている私のグラスの中にだばだばと注ぎ始めたのである。
私たち4人がぼーぜんとする中そのボーイはさわやかな笑顔を残してさっそうと去っていった。
……そりゃ、薄いアイスコーヒーにもなるな、と妙に納得。
でも、このやり方って、下手すりゃ「必殺滝沢膨張スペシャル」現象を起こすんじゃないか?
(ちなみに氷が全部溶け切った後は「死ぬほど薄い上に、なまぬるい」という激烈なアイスコーヒーの完成。日本人なめんなよ。)

さて、そのようなすばらしい昼食をとった後は、ゴールデンゲートブリッジへ。なんか典型的な移動パターン。ただ、ゴールデンゲートブリッジはフィッシャーマンズワーフからも見えるのだが、どうやらガスが出てるようで上のほうなんかまったく見えないという状態。正直、どんなもんかなぁと思いながらもやはり基本は押さえとかねば、という事で出発。

圧巻。
べたな感想ではあるが、正直な感想である。
日本の橋でこれよりも大きい吊り橋も見た事はあるが、それよりも遥かに壮大。はっきりいってこれは橋自体のサイズよりも周りの風景のスケールの違いであろう。
つまり、小さな部屋の中にぽつんと1台だけPC‐88MCが置いてある景色よりも、体育館一面にずらーっとプレステが並べられている中に1台だけPC‐FXが置いてあるほうがなんか凄く見えるという事である(違うか)。
それはともかく、ここでもジャパニーズらしく写真を撮りまくる。

その後、シリコンバレーのほうへ帰還。会社の人の家で夕食を作る事になり「ランチ・マーケット」という巨大な中華スーパーへ。
無い物はないんじゃないかと思われるほどの品揃えである。そこでカニカマを発見。今度買いにこようと決心する。
とりあえず、材料を買い込んでその人のお宅へおじゃまする。魚の煮付けなどを作る。ただし、私の役割は暮里阿梨よりはましかな、ってぐらいである。
出来上がった料理はおいしかった。なべの焦げを取るのは一苦労だったが。

その後ホテルに帰りビールを飲んで、就寝。


7月4日(土)

完全週休二日制なので今日も休み。ありがたい事である。
今日はとりあえずこのあたりの散策&買い物を試みてみる事にする。

いきなり迷う。

私が教えてもらった記憶ではたしかElcaminoという通りを西へ向かえばGreatMallというショッピング街にいけるはずなのだが、そんなものは影も形も見当たらない。

仕方ないので、そのあたりをぐるぐる回ってみる。すると、スパイダーマンが描かれたOtakuTeistが漂う店を発見。当然のように入店。一通り見る。日本作家の海外版は高橋留美子が強いようだ。その中に混じってセーラームーン11巻を発見。普通の日本で売ってるやつである。何故11巻だけ?と思いながらも手にとって見る。”7.99$”。需要あるのか、こんなもん。
そんな感じで苦笑いしながら店を出る。まぁとりあえず、一人分のお土産をGetしたのでよしとしよう。
「石津忠、帰国の日まで あと 53日。」
どうする気だ、俺。

そんなことをやってるうちに昼となる。最初に会社の人と行った日本人街の店に行けば日本人向けガイドブックがもらえるという話を聞いたのでそこに食べに行く事にする。ちょっと迷ったものの概ね順調に到着。
休み。
仕方ないのでそのあたりをふらついてなんか食事できそうなところを探索する。営業しているのは高級そうな店ばかり。仕方ないので、ここで食事をするのはあきらめる事にした。
しかし、探索の途中でまたもOtakuTest漂う店を「3件」発見。しらみつぶす。
一件目は日本人向けの貸し漫画屋。一冊50¢だそうだ。日本の漫画を借りても面白くないのですぐ退散。
二件目はキャラクターグッズショップ。だが、ここも日本で売っているものがほとんどだったのであまり面白くなく、早々に退散。(紅蘭、アイリスフィギュアが売ってた。この時点で日本人向けだな。)
三件目は休み。だがここはかなり強めのOtakuTeistを放出している。その名も「Animart.」。JAROに訴えられても文句が言えそうも無い店名である。基本的にはVideoがメインのようだ。再度来る事を心に誓い、日本人街を後にする。

仕方ないので昼飯はハンバーガーで済ます事にする。ハンバーガー屋を探しているうちにとある有名なアメリカのチェーン店を発見。とりあえず写真を撮る。残念ながら同人誌を作ってる人はいないようだった。残念。

Jack in the BOXでSetNo.7を買い、軽くElcamino通りを流し窓を全開にして風を受けながら、カーステのボリューム上げて、コークを飲み、ハンバーガーをかじると、気分はもう完全にアメリカンである。
ただ、フルボリュームで流している曲は、「アンテナ・ライフ」や「雲のむこう」、「アチチッチ(Short ver.)」、「肉球みゃーみゃ」等々であり、日本の心も忘れない様に気をつけている。

と、そんな状態で走っていたせいか、またもOtakuTeist漂う店を発見……いや、この店には漂うという表現は生ぬるい。なんせ入り口はセーラームーンと綾波レイである。面構えからしてPower炸裂。引き込まれるように店内へ。
……この店がどんな店だったかは多くを語らないでおこう。ただ一言語るとするならば、
「お土産3人分Get。」
機会があれば帰国後にそのあたりの品々と共に語りたいと思う。

そして、ふらふらとドライブを楽しんだ後、前述のランチマーケットに行きお目当てのカニカマをGet。ホテルに戻りビールとともに食す。ここで一言。
「縦に裂けないカニカマはカニカマではない。カニカマのフェイクとも言えないシロモノだ。」
とかいいつつも、その偽カニカマでバドワイザーを2本空けたのち、このページの作成に入る。予想外に長くなり、出発当日を書き終えた時点で力尽き、就寝。

アメリカンなフィーリングで日本の文化を再確認した一日であった。こういうのを「異文化交流」というのだろうか。(違う)


木下:……恥の輸出をしたような気がする。

吉田:あんたは百里基地の長官か。

Part4へ

目次ページへ